シナジスについて知る

監修:
北海道大学病院 周産母子センター
診療教授
長 和俊 先生
  • RSウィルス感染症とは?
  • シナジスとは?
  • 適応症について
  • シナジスと予防接種の違い

シナジスと予防接種の違いについて

予防接種って?

人は、身体のなかにウイルスなどの異物が侵入すると、それを排除して自分の身体を守る “免疫システム”をもっています。免疫システムの中心となるのが“抗体(こうたい)”で、ある病気に対する抗体を持っている状態を“免疫がある”と言います。
予防接種(ワクチン)は、毒性を弱めた病原体や細菌の成分などを体内に注入することで、免疫システムに抗体をつくらせ、特定の病気にかかりにくくするものです。
わが国では、特に強く推奨される予防接種が「予防接種法」により“定期予防接種”として定められています。乳幼児の場合は、Hibワクチン、肺炎球菌ワクチン、ジフテリア・百日咳・破傷風・急性灰白髄炎(ポリオ)に対する四種混合ワクチン、MR(麻疹風疹混合)ワクチン、日本脳炎ワクチン、水痘ワクチン、結核に対するBCGが定期予防接種の対象です。定期予防接種は、公費負担により原則として無料です。日本小児学会によって、予防接種の推奨スケジュールが示されています。

シナジスの注射って?

麻疹(はしか)にかかって自力で回復した場合には、一生続く免疫ができます。ところが、かぜの原因となるウイルスの中でも、最も乳幼児に感染しやすいといわれるRSウイルスは抗体ができにくく、何度も感染を繰り返します。また乳幼児はRSウイルスに感染すると重症化してしまう場合があります。RSウイルスに対する抗体であるシナジスを定期的に投与することで、RSウイルスが体内に入ってきたとしても、増殖することを防ぐことができます。
つまり、ワクチンの“接種”とは「弱めたウイルスなどを注射することで、身体の中に抗体が作られるのをうながすもの」で、シナジスの“投与”は「抗体そのものを注射すること」なのです。
不活化ワクチン接種後は1週間、生ワクチン接種後は4週間以上経過してから他の予防接種が可能になります。一方、シナジスは予防接種ではないため、他の予防接種のスケジュールに影響を与えません。これから予防接種を受ける場合も、また予防接種を受けたばかりでも問題はありませんが、気になる場合は医師に相談するようにしましょう。